屋根補修DIYのやり方|自分でできる3つの方法と注意点を解説
- 屋根のDIYは「防水テープ」「コーキング」「瓦の差し替え」など応急処置の範囲にとどめるのが安全。
- 高所作業は転落リスクが高く、足場だけでも業者に依頼すべき。
- 屋根の改修が建築基準法の「大規模の修繕」に当たる場合は確認申請が必要になることがある。
- 火災保険は台風や雹など自然災害が対象で、経年劣化は通常対象外。
- 応急処置は恒久補修の代わりにならず、最終的には専門業者の点検が要る。
屋根補修 DIY やり方の結論

屋根補修のDIYは「雨漏りを一時的に止める応急処置」に限定するのが、私が出す結論です。
理由ははっきりしています。屋根の上は転落リスクが高く、労働安全衛生法の枠組みでも「墜落・転落」防止が安全対策の柱として扱われているからです。
所要時間の目安は、防水テープなら15〜30分、コーキングで30分〜1時間、瓦1枚の差し替えで1時間前後。難易度はどれも初心者向けですが、それは「平らで低い屋根に安全に登れる場合」に限ります。
屋根修理を自分でやる方法!これなら自分でできる?
自分でできるのは「防水テープ貼り」「コーキング補修」「瓦の部分差し替え」の3つ程度です。

いずれもホームセンターで揃う材料でできます。ただし共通の前提があります。屋根に安全に登れること、晴れて屋根が乾いていること、作業範囲が手の届く狭い範囲であること。
逆に言うと、屋根全体の葺き替えや下地の腐食を伴う修理は、構造や防火性能に関わるためDIYの対象外です。建築確認の要否は屋根材の交換や下地補修の範囲で変わり得るので、本格的な改修は事前に自治体や業者へ確認してください。
①屋根に防水テープを貼る
防水テープは、屋根の小さな穴や継ぎ目からの雨漏りを一時的に止めるのに向いた応急処置です。
手順はシンプルです。
- 1. 貼る場所のホコリ・砂・コケを乾いた布で拭き取る(ここが甘いと密着しない)。
- 2. 雨漏りの入口になっている穴や隙間を確認する。
- 3. テープを少し大きめに切る。
- 4. 隙間の下側から上側へ向かって、瓦やスレートの重なりに沿って貼る。
- 5. 手のひらや布で強く押さえて空気を抜く。
ここまでで「テープの端が浮かず、上から下へ水が流れても入り込まない」状態になっていれば正しく貼れています。
うまくいかないときは、たいてい下地が湿っているか汚れています。濡れている日は貼っても剥がれるので、晴れて乾いた日にやり直してください。
②屋根材のヒビ割れをコーキング材で補修する

スレートや瓦の細いヒビ割れは、コーキング材を充填して水の侵入を止めるのが基本のやり方です。
手順はこうです。
- 1. ヒビの周囲の汚れを拭き、しっかり乾かす。
- 2. はみ出し防止のマスキングテープをヒビの両脇に貼る。
- 3. コーキングガンにカートリッジをセットする。
- 4. ヒビに沿ってコーキング材を押し込むように充填する。
- 5. ヘラで表面をならし、固まる前にマスキングテープをはがす。
「ヒビの溝が埋まり、表面が平らにならされている」状態になればOKです。
つまずきやすいのは、テープをはがすタイミング。完全に固まってからはがすと縁がガタガタになります。表面が乾く前にそっとはがすのがコツです。
参考までに、業者サイトでは材料費を約3,000円とする記載や、業者依頼のコーキング補修を1.5〜30万円とする目安が見られます。ただしこれらは公式価格ではなく掲載サイトによる目安なので、参考程度に。
③部分的な瓦の交換
割れた瓦が1〜2枚なら、同じ規格の瓦を用意して差し替えるDIYが可能です。

手順を分けます。
- 1. 割れた瓦の上の段の瓦を少し持ち上げる。
- 2. 割れた瓦を留めている釘や桟を確認する。
- 3. 割れた瓦を慎重に引き抜く。
- 4. 同じ寸法・形状の新しい瓦を差し込む。
- 5. 上の段の瓦を元に戻し、ズレがないか確認する。
「新しい瓦が周囲と段差なく収まり、手で押してもガタつかない」なら完了です。
正直、瓦交換は3つの中で一番難しい。サイズの合う瓦が手に入らないことが多く、無理に近い瓦を入れると雨の流れが乱れて逆に漏ります。同じ瓦が見つからないときは、ここで手を止めて業者へ。
屋根修理を自分でやるときの注意点
最大の注意点は「転落しない環境を先に作ること」です。技術より安全が先。
雨上がりや早朝の屋根は滑ります。風が強い日も危険です。私が取材した職人さんは口を揃えて「素人が一番落ちるのは作業の行き帰り」と言っていました。登り降りこそ慎重に。
もう一つ見落とされがちなのが法令と保険です。屋根の修理が建築基準法上の「大規模の修繕」「大規模の模様替え」に当たる場合、確認申請の対象になることがあります。
火災保険は台風・強風・雹などの自然災害が対象で、経年劣化は通常対象外です。台風で壊れたのに自分で直してしまうと、保険申請に必要な被害状況の記録が残らないことがあります。自然災害が疑われるなら、直す前に写真を撮るのが鉄則です。
屋根修理を自分でやるなら足場だけでも業者に依頼しよう

DIYで補修するとしても、足場だけは業者に組んでもらうのが一番現実的です。
理由は明快で、転落事故の多くは足場の不備や脚立作業で起きるからです。前述の労働安全衛生の枠組みでも、墜落・転落防止が安全対策の中心に置かれています。
私の取材実感でも、「材料費を浮かせたつもりが、ケガをして治療費と工事費で倍かかった」という話はめずらしくありません。命とお金の両方を守る意味で、足場への投資は安いほうだと考えています。
屋根修理を自分でやるのに必要な道具や材料
DIYで揃えるべき道具は、屋根材・安全帯・洗浄用具・防水テープ・コーキング一式の5つに整理できます。

以下に用途と注意点をまとめます。
| 道具・材料 | 用途 | 注意点 |
|---|---|---|
| 屋根材(瓦・スレート等) | 割れた部分の差し替え | 既存と同じ規格を用意する |
| 安全帯 | 転落防止 | 屋根作業では必須 |
| 高圧洗浄機またはホース | 汚れ・コケの除去 | 下地を乾かしてから補修する |
| 防水テープ | 穴や隙間の応急処置 | 下から上へ貼る |
| コーキング材一式 | ヒビ割れの充填 | ガン・ヘラ・マスキングテープを揃える |
材料費は防水テープやコーキングなら数千円程度で収まる例が紹介されています。ただしこれは業者サイト由来の参考値で、相場と断定はできません。
①屋根材
屋根材は「今ある屋根とまったく同じ規格」を選ぶのが鉄則です。
瓦は産地やメーカーで寸法が微妙に違います。形が近いだけの瓦を入れると、重なりに隙間ができて雨が回り込みます。古い住宅ほど廃番品が多く、ここでDIYが詰まることが本当に多い。
見つからないときは無理をせず、業者に在庫や互換品の調達を相談したほうが早いです。
②安全帯

安全帯は、屋根DIYで唯一「節約してはいけない道具」です。
墜落・転落防止が安全対策の柱とされている以上、命綱とフックの確実な固定は最低条件。アンカーをかける丈夫な箇所がない屋根では、そもそも上がるべきではありません。
正直、ここを軽く見る人ほど危ない。私は安全帯を用意できない時点で、DIYは中止を勧めます。
③高圧洗浄機またはホース
補修前の洗浄は、テープやコーキングを密着させるための下準備として欠かせません。

コケや砂が残っていると、どんな良い材料でもすぐ剥がれます。高圧洗浄機があれば早いですが、無ければホースとブラシでも構いません。
ただし注意点が一つ。洗浄直後の屋根は濡れて滑りやすく、乾くまで補修もできません。洗ったら一度降りて、しっかり乾かしてから作業を再開してください。
よくある質問
取材や問い合わせでよく聞かれる質問に、私の考えで答えます。
よくある質問
最後に率直な一言を。屋根DIYは「雨を一時的に止めて被害を広げないため」のもの。直したつもりで放置すると、内部の腐食が進んで結局高くつきます。応急処置をしたら、必ず信頼できる業者に点検を依頼してください。
