屋根雨漏り修理に使うシーリング材の種類と正しい選び方
- 屋根の軽微な雨漏りは、シーリングと防水テープで応急処置できる。
- ひび割れや隙間からの浸水には、変成シリコンやレクセルなどのシーリング材を使う。
- 棟板金の浮きには防水ブチルテープや防水アルミテープが有効。
- 素材によってはプライマー(下塗り材)を塗らないと密着しない。
- 応急処置はあくまで一時しのぎで、最終的な原因修理は専門業者に依頼する。
屋根雨漏り修理の結論

結論を先に言うと、自分でできる屋根の雨漏り修理は「シーリング材で隙間を埋める」「防水テープで貼ってふさぐ」の2系統に集約されます。
私は10年以上、屋根・外壁リフォーム業者を取材してきました。延べ50社以上に話を聞いてきて感じるのは、雨漏りの初動で大事なのは“高額な工事を即決すること”ではないという点です。
まず止める。それから原因を特定する。この順番を間違えると、必要のない張り替えにお金を払うことになります。
補助金や保険が使える場合もあります。たとえば台風・豪雨・地震などの自然災害で損傷した屋根は、自治体の助成対象になることがあります。
シーリング
シーリングとは、屋根材の隙間やひび割れに充填して水の侵入を防ぐペースト状の防水材です。

乾くとゴムのように弾力を持つので、屋根材のわずかな動きにも追従します。ホームセンターでカートリッジ式が手に入り、専用のコーキングガンで押し出して使う。これが基本の道具です。
取材した職人が口をそろえて言うのは「シーリングは万能ではない」ということ。広い面の穴をふさぐには向かず、あくまで“隙間を埋める”用途だと割り切ってください。
シーリング材にはいくつか種類があり、屋根の素材によって使い分けます。次の章から、よく使う4タイプを順に見ていきます。
シリコン
シリコンは耐水性・耐候性に優れたシーリング材ですが、屋根の補修ではあまり勧めません。
理由ははっきりしています。シリコン系は上から塗装が乗らないからです。補修したあとに屋根を塗り替えると、シリコンを打った部分だけ塗料を弾いてしまう。
水まわりやガラスまわりでは強い味方ですが、後で塗装する可能性がある屋根面には、私は基本的に使いません。
変成シリコン

屋根の雨漏り補修で最初に検討すべきは、塗装が乗る「変成シリコン」です。
名前は似ていますが、シリコンとは別物。変成シリコンは硬化後に上から塗装できるため、補修後に屋根を塗り替えても色がそろいます。
金属屋根のつなぎ目、スレートのひび割れ、板金まわりの隙間など、屋根まわりの多くの場面で使えます。迷ったらこれ、というのが私の率直な意見です。
レクセル
レクセルは、濡れた面や少し湿った下地にも使える粘着力の強いシーリング材です。

雨漏りの応急処置は、たいてい天気が崩れた後に行います。完全に乾いていない屋根でも貼り付けたい——そんな現場でレクセルは重宝します。
硬化後は透明になり、目立ちにくいのも利点です。ただし価格はやや高め。緊急性が高い箇所に絞って使うのが、コスト面でも納得できます。
瓦用シーリング
瓦屋根には、瓦のズレやすさに対応した専用の瓦用シーリングを使います。
瓦は1枚ずつ独立して動くため、固めすぎると逆に割れの原因になります。瓦用は弾力性を保ちつつ、瓦同士を必要な範囲だけ固定する設計です。
取材で印象に残っているのは「瓦の谷側(水が流れる下側)を全部ふさぐと、内部に水がたまる」という指摘でした。固定は上側や横を中心に、水の逃げ道は残す。これは素人がやりがちな失敗なので強調しておきます。
プライマーが必要になることも

金属や一部の屋根材では、シーリングの前にプライマー(下塗り材)を塗らないと密着しません。
プライマーは、シーリングと下地を“のり”のようにつなぐ役割です。これを省くと、見た目はくっついていても数か月で剥がれ、また雨漏りが再発します。
正直、ここを面倒がってスキップする人が多い。私が見てきた“DIY補修の失敗例”の大半は、プライマー不足による剥離でした。使うシーリング材の説明書きで、プライマーの要否を必ず確認してください。
【動画】シーリングの使い方について
シーリングの打ち方は、文章より動画で見たほうが一発で理解できます。

コーキングガンの角度、押し出す速さ、ヘラでならすタイミング——この3つが仕上がりを左右します。手元の動きを実際に見ておくと、初めてでも失敗しにくくなります。
防水テープ
防水テープは、貼るだけで隙間や亀裂をふさげる、最も手早い応急処置の道具です。
シーリングが「埋める」なら、防水テープは「覆ってふさぐ」。棟板金の浮きや、面で生じた割れには、テープのほうが向いています。
ポイントは貼る前の清掃です。ホコリや水分が残っていると、どんな高性能なテープも数日で浮きます。乾いた布で拭いてから貼る。これだけで持ちが変わります。
防水ブチルテープ

防水ブチルテープは、強い粘着力と弾力で凹凸のある屋根面にもしっかり密着するテープです。
ブチルゴムは時間が経っても硬くなりにくく、屋根の伸び縮みに追従します。棟板金の浮きやサッシまわりの隙間など、動きのある箇所に向きます。
難点は粘着が強すぎて貼り直しがきかないこと。位置を決めてから一発で貼る覚悟が要ります。手にもベタつくので、軍手より使い捨て手袋がおすすめです。
防水アルミテープ
防水アルミテープは、表面がアルミで覆われ、紫外線や熱に強い屋外向けのテープです。

屋根は一年中、直射日光にさらされます。普通の布テープでは数週間で劣化しますが、アルミ面のテープは熱や紫外線に耐えるため、応急処置の持ちが段違いに良い。
ただし、これも“応急”です。アルミテープで止まったからと安心して放置すると、下地の腐食が静かに進みます。テープで止めたら、できるだけ早く業者に見てもらってください。
| 材料 | 得意な場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 変成シリコン | スレートや板金の隙間・ひび割れ | 硬化後に塗装が乗る/屋根の基本選択 |
| シリコン | 水まわり全般 | 上から塗装できない/屋根面には不向き |
| レクセル | 濡れた面・湿った下地 | 価格が高め/緊急箇所に絞る |
| 瓦用シーリング | 瓦のズレ固定 | 水の逃げ道までふさがない |
| 防水ブチルテープ | 棟板金の浮き・動きのある隙間 | 貼り直し不可/一発勝負 |
| 防水アルミテープ | 屋外で日光にさらされる面 | 耐候性は高いが本格修理は別途必要 |
よくある質問
取材や読者から特に多く寄せられる3つの疑問に答えます。
よくある質問
補助制度を考えるなら、申請のタイミングに注意してください。多くの制度は「着工前申請」が原則です。工事を始めてしまうと対象外になることがあります。
最後に私の率直な意見を。応急処置で焦って高い材料を全部そろえる必要はありません。雨を止めたら一息ついて、信頼できる業者に原因を見てもらう。その順番さえ守れば、無駄な出費はかなり防げます。
