屋根の雨漏り修理
- 雨漏りの応急処置に使う材料はシーリング・防水テープ・ブルーシートの3系統に分かれる。
- 屋根の上での作業は転落リスクが高く、雨の日のDIYは私は勧めない。
- 雨漏り修理単体を対象にした国の補助制度は基本的に見当たらない。
- 断熱改修や耐震改修と同時に行うと補助の対象になりやすい。
- 応急処置はあくまで時間稼ぎで、最終的には業者の調査と修理が必要になる。
屋根の雨漏り修理の結論

屋根の雨漏り修理は、室内側で被害を抑える応急処置と、屋根側で原因を断つ本修理の2段階で考えるのが正解です。
まずやるべきは、屋根に上がることではありません。室内のバケツ受けや家財の移動など、被害を広げない初動です。
屋根の上での応急処置に使える材料は、大きく3つ。隙間を埋めるシーリング、貼って塞ぐ防水テープ、全体を覆うブルーシートです。状況で選び分けます。
ただし正直に言うと、屋根は思っている以上に滑ります。私が取材した職人さんは全員「素人が雨の日に屋根へ上がるのが一番危ない」と口をそろえました。応急処置は無理のない範囲にとどめてください。
費用面では、雨漏り修理そのものを対象にした国の代表的な補助制度は確認しにくいのが実情です。省エネ改修や耐震改修に付随する形なら対象になり得ます。
シーリング
シーリングは、サッシまわりや屋根材の隙間など、細い割れ目を埋めて水の侵入を止める材料です。

ホームセンターでチューブやカートリッジで買えます。ペースト状で、乾くとゴムのように弾力が出るのが特徴です。
応急処置で頼りになる場面は多いです。ただし、隙間に押し込むだけで雨水の出口まで塞いでしまうと、かえって行き場を失った水が室内へ回ることもあります。これは現場でよく聞く失敗です。
シリコン
シリコンは耐水性と耐久性が高く、水まわりで広く使われるシーリング材です。
ガラスや金属によく密着し、価格も手頃。浴室やキッチンの定番です。
ただし屋根の補修では注意点があります。シリコンの上には基本的に塗装が乗りません。後から屋根を塗り替える予定があるなら、シリコンを使った箇所だけ塗料が弾かれます。私はこの理由で、屋根面の補修にはあまり勧めていません。
変成シリコン

変成シリコンは、シリコンの弱点だった「上から塗装できない」を解消したシーリング材です。
硬化後も塗料が乗るため、屋根や外壁の補修では変成シリコンを選ぶ場面が多くなります。
金属の棟板金まわりや、外壁との取り合い部分など、後で塗装するかもしれない箇所はこちらが無難です。私が見積書を見比べてきた限り、屋根業者が屋根面で使うのは変成シリコンが中心でした。
レクセル
レクセルは、濡れた面にも使え、透明で目立ちにくい変成シリコン系のシーリング材です。

雨漏りの応急処置で重宝するのは「水に濡れていても密着しやすい」点です。完全に乾かしてから塗るのが難しい雨の合間でも作業できます。
透明タイプなら仕上がりも目立ちません。ただし応急処置である事実は変わらず、後日きちんと原因を直すことが前提です。
瓦用シーリング
瓦用シーリングは、瓦のズレや漆喰の隙間など、瓦屋根特有の補修に向けた専用のシーリング材です。
瓦は色や質感が独特なので、なじみやすい色付きの製品が用意されています。
ここで注意したいのは、瓦のすべての隙間を埋めてはいけないこと。瓦屋根はもともと内部に入った水を逃がす構造です。素人判断で全周を埋めると、抜けるはずの水がこもって被害が広がります。瓦は特に専門業者に任せるのが安全だと私は考えています。
プライマーが必要になることも

プライマーは、シーリングを密着させるための下塗り材で、素材によっては塗らないと数か月で剥がれます。
金属やツルツルした面は、シーリングが食いつきにくい。そこにプライマーを先に塗ると密着力が段違いに上がります。
応急処置でそこまで手が回らないことも多いですが、せっかく塞いだ補修がすぐ剥がれて再発するのは、たいていプライマーを省いたときです。剥がれが心配な箇所には使ってほしい一手間です。
【動画】シーリングの使い方について
シーリングは文字より動画で見たほうが、ヘラの当て方や量の感覚がつかめます。

カートリッジを切る角度、コーキングガンの引き方、ヘラで押さえる力加減。この3つはやってみると意外と難しい部分です。
私が初めて自分の物置で試したときも、最初の数センチは波打ってしまいました。動画で流れを一度見てから手を動かすと、失敗がぐっと減ります。
防水テープ
防水テープは、貼るだけで隙間を塞げる、最も手軽な雨漏りの応急処置材料です。
シーリングのように乾燥を待つ必要がなく、雨が降っている最中でも作業できます。棟板金の浮きや、屋根材のひび割れの上から貼って一時的に水を止めます。
ただし、ホコリや水分が残った面に貼ると一発で剥がれます。貼る前にできる範囲で拭き取るだけで持ちが変わります。
防水ブチルテープ

防水ブチルテープは、粘着力と防水性が高く、屋根の応急処置で最も信頼されている防水テープです。
ブチルゴムという粘り気のある素材で、多少の凹凸にも食い込んで密着します。棟板金の継ぎ目や釘穴まわりの止水に向いています。
難点は、一度貼ると粘着が強くてベタベタすること。位置決めをミスると貼り直しが大変です。私は「一発で決める」つもりで、貼る前に置く位置を指でなぞって確認するようにしています。
防水アルミテープ
防水アルミテープは、表面がアルミ箔になっていて、熱や紫外線に強い防水テープです。

屋根は夏場、表面温度がかなり上がります。アルミ層があると熱で劣化しにくく、屋外で貼りっぱなしにする応急処置に向いています。
ブチルテープと比べると、見た目の銀色が目立つのが正直な弱点。応急処置と割り切るなら問題ありませんが、玄関側など目に付く場所は気になる人もいます。
| 材料 | 得意な場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 変成シリコン | 屋根面・外壁取り合い(後で塗装する箇所) | プライマーが必要なことがある |
| レクセル | 濡れた面・雨の合間の補修 | あくまで一時的 |
| 瓦用シーリング | 瓦のズレ・漆喰の隙間 | 全周を埋めると逆効果 |
| 防水ブチルテープ | 棟板金の継ぎ目・釘穴 | 貼り直しが難しい |
| 防水アルミテープ | 屋外で長めに貼る箇所 | 銀色が目立つ |
| ブルーシート | 広範囲を覆う応急処置 | 屋根上作業は転落リスク大 |
よくある質問
取材や問い合わせでよく聞かれる3つに、私の考えも添えて答えます。
よくある質問
補助制度については、年度ごとに公募要領が更新されます。長期優良住宅化リフォーム推進事業では、第Ⅰ期の交付申請締切が令和7年9月30日と案内されていました。最新の締切は必ず公式の公募要領で確認してください。
